この事例の依頼主
女性
相談前の状況
相談者は,自動車を運転し,交差点において,横断歩道上の歩行者の通行待ちのため停車中,後方から単車で追突されました。相手方保険会社からは,単車が車両後部に衝突した理由について,相談者の自動車が,方向指示器を点灯させずに左折を行ったため,その結果,単車が相談者の自動車後部に衝突したとの理由から,過失割合に関して,9(当方)対1(相手方)の主張がなされていました。しかし,相談者の方は,あくまで方向指示器を出して左折を行い,その後,横断歩道上の歩行者を待つために横断歩道手前で車を停車させていたため,相手方保険会社の主張するような,左折の際に相談者の自動車が単車を巻き込んだという態様の事故とは言えないと考え,保険会社の対応に納得ができず弁護士のもとへ相談に来られました。
解決への流れ
相談をお受けしたのち,弁護士において,約2か月にわたり相手方保険会社との交渉を行いました。交渉中,事故状況について,相談者の方から事故状況についての詳細を改めて,具体的に聴き取り,その内容について相手方保険会社に,粘り強く説明を行いました。また,相手方保険会社の主張が,自動車に残された単車の追突痕の場所や大きさから考えて矛盾することなどを指摘しました。当初は,相手方保険会社は,当方の主張について全く受け入れないという状況でしたが,相手方保険会社が,改めて,相手方本人からの事故状況の聴取等を行うなどした結果,結局当方の主張が大部分受け入れられ,当方の過失が3割程度と大幅に改善し,早期に決着がつきました。
相手方保険会社からの主張について,過失割合の判断等に関して,専門的な知識がないからと早々に諦めてしまうことなく,交通事故の取り扱いに慣れた弁護士への相談を行うことで,納得の行く解決を得られた,良い事例なのではないかと考えます。本事故のように,9割こちらが悪いと主張されていた過失割合が,反対に相手方の過失割合が7割となるというような事案は,そう多くはありませんが,相手方保険会社の当初主張していた過失割合が,示談交渉や裁判により大幅に変更するということはよくあります。相手方保険会社などの主張をうのみにせず,自分の記憶や主張を大切にすることの重要性を改めて,感じた事案でした。