この事例の依頼主
60代 女性
相談前の状況
A子さんは、或る日、腹部に激痛が起こり腸閉塞疑いにより手術を受けました。剥離した腸の癒着部分に線維性の物質が残置されていることが原因であり、20年前に受けた開腹手術の際にガーゼを置き忘れていたことが発覚しました。20年前の手術のことを取り沙汰することに躊躇していたA子さんですが、再手術のため仕事を休み、腹部には新たな手術痕が残ったことから、当時手術を行った病院に補償を求めるかどうか迷われていました。
解決への流れ
この種のガーゼ置き忘れ事件の裁判例があったことから、裁判例を参考にして、弁護士会が行っている示談あっせん制度を利用することにしました。20年前にガーゼを置き忘れた病院に対して慰謝料など1000万円程度の損害賠償を求めたところ、400万円余りの支払いを得る内容の和解が成立しました。ご相談を受けてから解決するまで9ヵ月程度と短い期間で解決に至り、A子さんはとても満足されていました。
ガーゼ置き忘れ事件の先例があり裁判で解決したことが大きく報道されていたことが幸いし、その先例にならって、裁判ではなく、示談あっせん制度(ADR)を利用することにより早期に解決を図ることが出来ました。ご依頼いただいたA子さんにとっては時間的経済的負担が軽く済み、かつ満足する解決になったと思います。