14746.jpg
「ここまでポンコツだと思わなかった」 三菱電機でパワハラ相談、年間330件 セクハラでも懲戒処分
2021年11月16日 10時08分

近年、パワハラによる自殺や過労による労災認定などが複数報じられている三菱電機(東京都千代田区)のグループ内で、2020年度にパワハラによる被害相談が330件あったことが労働組合の調査でわかった。

労働組合「電機・情報ユニオン」が11月10日、記者会見で明かした。グループ社内のハラスメント研修で使用されたという資料によれば、20年度にはパワハラで8件の懲戒処分がなされた。また、件数は不明ながら、セクハラによる懲戒処分も発生していた。

近年、パワハラによる自殺や過労による労災認定などが複数報じられている三菱電機(東京都千代田区)のグループ内で、2020年度にパワハラによる被害相談が330件あったことが労働組合の調査でわかった。

労働組合「電機・情報ユニオン」が11月10日、記者会見で明かした。グループ社内のハラスメント研修で使用されたという資料によれば、20年度にはパワハラで8件の懲戒処分がなされた。また、件数は不明ながら、セクハラによる懲戒処分も発生していた。

●「死ね」「ぼけか」「ここまでポンコツだと思わなかった」

弁護士ドットコムニュースが入手した資料では、20年度のパワハラ相談窓口への相談件数は、三菱電機で111件あった。そのうち、相談者からの希望をうけて人事部門による調査は57件おこなわれ、52件が解決した(21年3月末時点)。

グループ合計の相談件数は330件で、人事部門の調査があった238件のうち、解決したのは214件だった。

加害者の行為がパワハラと認定され、懲戒処分とされた事例も資料では紹介された。

指導目的で上司が部下を1時間以上立たせたまま大きな声で威圧するように説教したケース。同僚に冗談のつもりで「死ね」と複数回言ったり、作業着にごみを入れたケース。チームリーダーがチーム員に「ぼけか、何してるんだ!」など威圧的な発言をしたり、本人がいない場で「●●がここまでポンコツだと思わなかった」との発言を周囲にしたりしていたケースなど。

また、グループ内で20年度に起きて、行為者が懲戒処分や配置変更や厳重注意等とされたセクハラ行為も紹介されている。

たとえば、先輩(男性)から後輩(女性)へのLINE等による執拗なデートの誘いや、部下の女性に「顔がおかしい」「外見は女だが、中身はおっさんだ」などの発言があったという。

三菱電機では、2019年に新入社員の男性が自殺し、2021年2月、労災認定された。背景には担当の教育指導員からパワハラがあったとみられている。

なお、資料ではパワハラ、セクハラだけでなく、マタハラ・パタハラ、ケアハラへの言及もあり、社内(人事部門)・社外の相談窓口が紹介されている。

●三菱電機は「コメントを差し控えます」

会見では、ユニオンが現在、会社との間で団交を予定している女性社員の事例も紹介された。

11月16日に、復職に向けた環境改善をもとめ、1回目の団交が予定されている。

三菱電機は取材に、「団交が予定されていることもあり、コメントを差し控えます」とした。

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る