15272.jpg
為末大氏「聖域ではなく、開かれた国立競技場に」、計画見直しに著名人が続々コメント
2015年07月17日 19時50分

巨額の建設費で批判を浴びていた新国立競技場の建設計画をめぐって、安倍晋三首相は7月17日、現行の計画を白紙に戻して、ゼロベースで計画を見直すことを表明した。「できる限りコストを削減して、ベストの計画を作っていく」と述べた。

2020年の東京オリンピック・パラリンピックのメイン会場となる「新国立競技場」は、デザイン審査時の予算は1300億円だったが、現在の総工費の見通しは約1200億円以上も多い2520億円にふくらんでいる。NHKの世論調査では「納得できない」が80%を超えるなど、計画の見直しを求める声が高まっていた。

巨額の建設費で批判を浴びていた新国立競技場の建設計画をめぐって、安倍晋三首相は7月17日、現行の計画を白紙に戻して、ゼロベースで計画を見直すことを表明した。「できる限りコストを削減して、ベストの計画を作っていく」と述べた。

2020年の東京オリンピック・パラリンピックのメイン会場となる「新国立競技場」は、デザイン審査時の予算は1300億円だったが、現在の総工費の見通しは約1200億円以上も多い2520億円にふくらんでいる。NHKの世論調査では「納得できない」が80%を超えるなど、計画の見直しを求める声が高まっていた。

●ちきりんさん「ザハさんとその事務所に誠意を尽くして謝りましょう」

安倍首相の「ゼロベース見直し」宣言を受けて、著名人たちがツイッターやブログで、さまざまな反応を示している。作家の乙武洋匡さんはツイッターで「大英断。国民の声に耳を傾けたうえでの決断を支持します」と書き込んだ。

社会派ブロガーのちきりんさんもツイッターで「(デザインを手がけた女性建築家の)ザハさんとその事務所には誠意を尽くして謝りましょう。(違約金を支払うことはもちろん) 彼らもまた大きな迷惑を被るのだということを忘れないように」とつづった。

コラムニストの小田嶋隆さんは「スタジアムの見直し案は、誰がどういう手順で誰の責任において策定するんだろうか。早くからスタジアム建設を白紙撤回することを求めていた人たちに、見直し案の作り方について相談ぐらいはしているんだろうか」と疑問を呈していた。

また、元男子陸上選手の為末大さんは、ブログを更新し、「一時期は決定したことだから覆せないという空気がありましたが、こうして再検討されることはうれしく思います」「私のアスリートとしての願いとしては国立競技場は聖域であることをやめ、毎日国民に使われるすべての人にひらかれた国立競技場を目指して欲しいと思います」と記した。

●「白紙見直しは基本的に歓迎する」

新国立競技場の建設自体に反対してきた市民団体「神宮外苑と国立競技場を未来へ手わたす会」の共同代表をつとめる森桜さんは、安倍首相の見直し方針の表明を受けて、弁護士ドットコムニュースの取材に応じた。

安倍首相が白紙見直しを表明したことについて、「現行案は、経済的にも環境的にも致命的なリスクがあった。基本的に歓迎する」と評価。ただ、今後の計画見直しについては、「建設予定地も見直されることになるのか。もう一度、立ち止まって考え直してほしい」「新国立競技場の建設ありきで進んでいくことには疑問を持っている」と述べた。

また、森さんは「新しい競技場を建設するならば、明治神宮外苑競技場、国立競技場という神宮外苑の歴史的な文脈を参考にして検討するべきだ」「東京周辺には、味の素スタジアムや日産スタジアムなどがある。今すでにある競技場の活用も考えるべきだ」と話していた。

(弁護士ドットコムニュース)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る