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アニメグッズを勝手に捨てた! 夫の「お宝」処分した妻は離婚されても仕方ない?
2013年08月06日 15時32分

夫が趣味で集めたアニメグッズを勝手に捨てたら、三下り半を突きつけられた――。夫婦間のトラブルといえば、浮気や嫁姑問題、お金のことなど色々あるかもしれないが、女性向け掲示板「発言小町」に寄せられた、30代主婦のこのような投稿が話題になっている。

投稿によると、きっかけは、この女性の夫がコンビニのキャンペーンのためにペットボトル飲料を大量に買ってきたことにあるという。ペットボトルの本数から推測して、1万円は軽く越えると思った女性が文句を言ったところ、夫からは「自分の小遣いと貯金の範囲だ」と反論された。

その後もケンカは続き、女性が家事をボイコットするなどの行動に出ると、今度は「家族の財布」を取り上げられることに。最終的にブチ切れた女性は、夫の部屋に勝手に入り、アニメのグッズやブルーレイディスクを捨ててしまった。その結果、夫から「離婚しよう。すぐにでも出ていってほしい」と言い渡されたという。

この投稿をみた人からは、「あなたはやり過ぎですね」「ご主人が可哀そう」と、女性の行動を非難するコメントが殺到している。はたして、彼女のように、配偶者が大切にしている「お宝」を勝手に処分したら、離婚を突きつけられても仕方ないのだろうか。高橋善由記弁護士に聞いた。

●「お宝」処分だけでは、離婚は難しい

「まず、2人の間で話し合って合意さえできれば、どんな理由でも離婚することができます。これを『協議離婚』と言います。ただ、協議離婚はあくまで話し合いなので、女性が離婚に同意しなければ、離婚とはなりません」

――裁判ではどうなる?

「ちょっと待ってください。日本では裁判の前に、『離婚調停』をする必要があります。これは裁判所で行う専門家を交えた話し合いで、離婚成立には合意が必要です。

合意できないと分かっているから飛ばしたい、と思っても、ルール上いったんは調停をする必要があるのです」

――つまり、調停で合意できなかった場合に、初めて裁判になる?

「そうですね。さて、裁判で離婚が認められるためには、次のどれかの『離婚原因』に当てはまる必要があります。

(1)配偶者に不貞な行為があったとき

(2)配偶者から悪意で遺棄されたとき

(3)配偶者の生死が3年以上明らかでないとき

(4)配偶者が強度の精神病にかかり回復の見込みがないとき

(5)その他、婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」

――「勝手にお宝を処分したこと」は、どれかに当てはまる?

「このケースで問題となるのは(5)だけです。しかし、単に『お宝』の処分をめぐってケンカをしただけでは、一般には、夫婦関係の修復が不可能なほど破綻しているとはいえませんので、それだけで離婚原因ありとは判断されないでしょう。

ただし、『お宝』の処分をめぐるケンカが発端だとしても、それが原因で相当長期間にわたり別居するようなことになれば話は別です。場合によっては夫婦関係の修復が不可能なほどに破綻しているとして(5)に当てはまり、裁判離婚が認められる可能性があります」

なるほど、さすがに「お宝」を捨てただけで、いきなり離婚が認められるということはないようだ。しかしながら、もし2人がこういったすれ違いをなかなか修復できないとすれば、今後長年連れ添うのは相当難しい……気がしてならない。

(弁護士ドットコムニュース)

夫が趣味で集めたアニメグッズを勝手に捨てたら、三下り半を突きつけられた――。夫婦間のトラブルといえば、浮気や嫁姑問題、お金のことなど色々あるかもしれないが、女性向け掲示板「発言小町」に寄せられた、30代主婦のこのような投稿が話題になっている。

投稿によると、きっかけは、この女性の夫がコンビニのキャンペーンのためにペットボトル飲料を大量に買ってきたことにあるという。ペットボトルの本数から推測して、1万円は軽く越えると思った女性が文句を言ったところ、夫からは「自分の小遣いと貯金の範囲だ」と反論された。

その後もケンカは続き、女性が家事をボイコットするなどの行動に出ると、今度は「家族の財布」を取り上げられることに。最終的にブチ切れた女性は、夫の部屋に勝手に入り、アニメのグッズやブルーレイディスクを捨ててしまった。その結果、夫から「離婚しよう。すぐにでも出ていってほしい」と言い渡されたという。

この投稿をみた人からは、「あなたはやり過ぎですね」「ご主人が可哀そう」と、女性の行動を非難するコメントが殺到している。はたして、彼女のように、配偶者が大切にしている「お宝」を勝手に処分したら、離婚を突きつけられても仕方ないのだろうか。高橋善由記弁護士に聞いた。

●「お宝」処分だけでは、離婚は難しい

「まず、2人の間で話し合って合意さえできれば、どんな理由でも離婚することができます。これを『協議離婚』と言います。ただ、協議離婚はあくまで話し合いなので、女性が離婚に同意しなければ、離婚とはなりません」

――裁判ではどうなる?

「ちょっと待ってください。日本では裁判の前に、『離婚調停』をする必要があります。これは裁判所で行う専門家を交えた話し合いで、離婚成立には合意が必要です。

合意できないと分かっているから飛ばしたい、と思っても、ルール上いったんは調停をする必要があるのです」

――つまり、調停で合意できなかった場合に、初めて裁判になる?

「そうですね。さて、裁判で離婚が認められるためには、次のどれかの『離婚原因』に当てはまる必要があります。

(1)配偶者に不貞な行為があったとき

(2)配偶者から悪意で遺棄されたとき

(3)配偶者の生死が3年以上明らかでないとき

(4)配偶者が強度の精神病にかかり回復の見込みがないとき

(5)その他、婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」

――「勝手にお宝を処分したこと」は、どれかに当てはまる?

「このケースで問題となるのは(5)だけです。しかし、単に『お宝』の処分をめぐってケンカをしただけでは、一般には、夫婦関係の修復が不可能なほど破綻しているとはいえませんので、それだけで離婚原因ありとは判断されないでしょう。

ただし、『お宝』の処分をめぐるケンカが発端だとしても、それが原因で相当長期間にわたり別居するようなことになれば話は別です。場合によっては夫婦関係の修復が不可能なほどに破綻しているとして(5)に当てはまり、裁判離婚が認められる可能性があります」

なるほど、さすがに「お宝」を捨てただけで、いきなり離婚が認められるということはないようだ。しかしながら、もし2人がこういったすれ違いをなかなか修復できないとすれば、今後長年連れ添うのは相当難しい……気がしてならない。

(弁護士ドットコムニュース)

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