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「遺産をすべて譲る」という叔母の遺言 「拒否」することはできる?
2013年08月20日 20時30分

相続問題は、家庭裁判所に持ち込まれる典型的なトラブルの一つだ。ウチには遺産なんてほとんどないから……と、高をくくっているかもしれないが、家裁に持ち込まれるのは、多くが遺産総額5000万円以下の事案だ。2011年度の場合、全国の家裁が取り扱った遺産分割事件(認容・調停成立件数)は約7900件だったが、そのうち遺産総額5000万円以下のケースが77%を占める。1000万円以下に限っても31%もある。

それほど「身近」といえる相続問題だが、中には遺産を受け取る側が「トラブルに巻き込まれるぐらいなら、遺産なんて欲しくなかった」と、困惑するケースもあるようだ。ネットの大手相談掲示板にも、叔母が「遺産を全て譲る」という内容の遺言を残したため、「親族から責め立てられている」という女性が、悩みの声を投稿している。

この女性のような場合、「うるさく言われるぐらいならいっそ……」と、遺産の受け取りを拒否することはできるのだろうか。また、親族一同が集まって、叔母の遺言内容を無視して、遺産分割をすることはできるのだろうか。小松雅彦弁護士に聞いた。

●遺産の受け取りは拒否できる

「遺言で財産の全部または一部を処分する(譲り渡す)ことを『遺贈』といいます。また、遺産の何割といった形で、一定の割合を示して行う遺贈を『包括遺贈』と言います。

本件の方はこの包括遺贈を受けたのでしょう(全部=100%も包括遺贈になります)。遺贈を受けた人は、相続人と同一の権利・義務を有します」

――遺贈を受けた人はその受け取りを拒否できる?

「可能です。遺贈は相続と同じように『放棄』できます。包括遺贈を放棄するための手続きは、3カ月以内に家庭裁判所に放棄の申述をすることです」

――遺言内容と異なる遺産分割協議をすることはできる?

「遺言書の内容を実現する任務を負う『遺言執行者』がいる場合といない場合で、方法は若干異なりますが、全員の合意があれば可能です。

まず、遺言執行者がいる場合は、実務上は『遺産分割の調停』を申し立て、そこに遺言執行者を利害関係人として参加させて、その同意・承諾を得て遺産分割の調停を成立させる……という形で行うことができます。

一方、遺言執行者がいない場合は,共同相続人と受遺者(遺贈を受け取る人)全員の合意により、遺言の内容と異なる遺産分割協議をすることが可能です」

(弁護士ドットコムニュース)

相続問題は、家庭裁判所に持ち込まれる典型的なトラブルの一つだ。ウチには遺産なんてほとんどないから……と、高をくくっているかもしれないが、家裁に持ち込まれるのは、多くが遺産総額5000万円以下の事案だ。2011年度の場合、全国の家裁が取り扱った遺産分割事件(認容・調停成立件数)は約7900件だったが、そのうち遺産総額5000万円以下のケースが77%を占める。1000万円以下に限っても31%もある。

それほど「身近」といえる相続問題だが、中には遺産を受け取る側が「トラブルに巻き込まれるぐらいなら、遺産なんて欲しくなかった」と、困惑するケースもあるようだ。ネットの大手相談掲示板にも、叔母が「遺産を全て譲る」という内容の遺言を残したため、「親族から責め立てられている」という女性が、悩みの声を投稿している。

この女性のような場合、「うるさく言われるぐらいならいっそ……」と、遺産の受け取りを拒否することはできるのだろうか。また、親族一同が集まって、叔母の遺言内容を無視して、遺産分割をすることはできるのだろうか。小松雅彦弁護士に聞いた。

●遺産の受け取りは拒否できる

「遺言で財産の全部または一部を処分する(譲り渡す)ことを『遺贈』といいます。また、遺産の何割といった形で、一定の割合を示して行う遺贈を『包括遺贈』と言います。

本件の方はこの包括遺贈を受けたのでしょう(全部=100%も包括遺贈になります)。遺贈を受けた人は、相続人と同一の権利・義務を有します」

――遺贈を受けた人はその受け取りを拒否できる?

「可能です。遺贈は相続と同じように『放棄』できます。包括遺贈を放棄するための手続きは、3カ月以内に家庭裁判所に放棄の申述をすることです」

――遺言内容と異なる遺産分割協議をすることはできる?

「遺言書の内容を実現する任務を負う『遺言執行者』がいる場合といない場合で、方法は若干異なりますが、全員の合意があれば可能です。

まず、遺言執行者がいる場合は、実務上は『遺産分割の調停』を申し立て、そこに遺言執行者を利害関係人として参加させて、その同意・承諾を得て遺産分割の調停を成立させる……という形で行うことができます。

一方、遺言執行者がいない場合は,共同相続人と受遺者(遺贈を受け取る人)全員の合意により、遺言の内容と異なる遺産分割協議をすることが可能です」

(弁護士ドットコムニュース)

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