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「同級生に髪を切られた」小学校のトラブルでも“警察相談に意外な効果”…弁護士語る「いじめ対応の基本」
2025年10月13日 09時45分
#いじめ #髪切り

学校生活を送る子ども同士は、ときに大人が想像もしないトラブルに巻き込まれることがあります。弁護士ドットコムには「同級生に髪の毛を切られた」という相談が寄せられています。

相談者によると、子どもは小学校低学年で、クラスメイトの女子に髪の毛を切られてしまったといいます。子どもは「嫌」と拒否したにもかかわらず、ハサミを入れられたそうです。

相談者は、相手の親にどう対応すべきか、また低学年の子どもが相手でも警察に被害届を出せるのかなど、不安を抱えています。

このケースについて、学校トラブルにくわしい高島惇弁護士に聞きました。小学生が罪に問われることはありませんが、場合によっては「警察などを介入させることで事態がスムーズに動くこともある」と指摘します。

学校生活を送る子ども同士は、ときに大人が想像もしないトラブルに巻き込まれることがあります。弁護士ドットコムには「同級生に髪の毛を切られた」という相談が寄せられています。

相談者によると、子どもは小学校低学年で、クラスメイトの女子に髪の毛を切られてしまったといいます。子どもは「嫌」と拒否したにもかかわらず、ハサミを入れられたそうです。

相談者は、相手の親にどう対応すべきか、また低学年の子どもが相手でも警察に被害届を出せるのかなど、不安を抱えています。

このケースについて、学校トラブルにくわしい高島惇弁護士に聞きました。小学生が罪に問われることはありませんが、場合によっては「警察などを介入させることで事態がスムーズに動くこともある」と指摘します。

●学校への対応は「調査を求めること」から

——子どもから「髪の毛を同級生に切られた」と報告を受けた親は、どのように動けばよいでしょうか。

一般論として、他の児童の髪の毛を無断で切る行為は、その身体を違法に侵害するものとして、不法行為にあたるのが通常です。仮に14歳以上であれば、暴行罪として刑事責任を問われる可能性もあります。

また、自分の髪の毛を切られることで精神的苦痛を受けるのが一般的ですから、学校としても「いじめ」と認知の上対応する可能性が十分にあります。

保護者としては、まず学校に対して「いじめが発生している」として調査を求め、そのうえで、いじめをやめさせるなど、適切な改善措置を講じるよう請求するのが基本です。

改善措置には、加害児童への指導に加え、今後も再発のおそれがある場合や被害児童が恐怖心を抱いている場合には、席替えや班分けの変更、クラス替えや動線の調整などの対応も含まれます。

私立小学校の場合は、公立と異なり、児童に退学処分や自主退学勧告をおこなうことが法律上可能です。そのため、いじめが繰り返されるような場合には、学外への排除を検討する余地もあります。

●加害児童の保護者への対応「学校を挟んでやり取りを」

──相手の親にはどのように対応すべきでしょうか。

まずは、学校を通じて調査結果を共有してもらい、再発防止に向けて家庭でのしつけや指導を促すよう要請するのが良いでしょう。

当事者同士が直接やり取りすると、感情的になってトラブルが拡大するおそれがあります。そのため、学校を介してやり取りするのが比較的平穏に進みやすいと考えます。

それでも相手保護者が対応を取らず、同様の行為が繰り返される場合には、損害賠償請求などの法的措置を検討せざるを得ないケースもあります。

——相手の転校を求めることはできるでしょうか。

加害児童の転校を希望する保護者は非常に多いのですが、残念ながら公立の小中学校では強制的に転校させることは現行法上難しいです。したがって、損害賠償請求によって責任を問う以外に実効的な手段が乏しく、被害児童の保護という観点からは不十分な制度だといえます。

●小学生は罪に問われないが、それでも警察に通報する意味

——さすがに小学生が罪に問われないことはわかりますが、警察に相談するのは有効なのでしょうか。

たしかに小学生は刑事責任を負いませんが、警察が任意で加害児童を呼び出し、注意・指導をおこなうことはあります。そのため、被害届を出すなど、警察に相談するのは一定の効果があるといえます。

また、警察が児童相談所に通告した結果、家庭内の虐待が判明し、加害児童が一時保護されたケースも私の経験上存在するところです。複数の行政機関に相談することは、再発防止という観点から有意義だと考えます。

小学校低学年でのいじめは統計的にも多く、対応を誤ると長期の不登校にもつながるおそれがあります。髪の毛を切るという行為そのものだけでなく、その背景にある関係性や他のいじめ行為の有無も含めて、学校と連携しながら早期に改善を図ることが重要です。深刻化する前に対応する姿勢こそが、子どもの心を守る第一歩だと考えます。

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